太極拳のイメージストーリーの効用

太極拳の套路を行うときのイメージストーリーを制作しました。(85式用)

イメージストーリーは自然と人間、宇宙と、地球などをテーマに展開しています。感受性や本来の人間の優しい心を育みます。

大人のストーリーは子供用のストーリーに現代太極思想に基づいた解釈を付け加えていますので、家庭などで練習を行うとき、子供に対して年齢に応じ親が子に指導できます。

演劇の表現のようなもので、大人の場合は、時間と空間の理念を太極論も取り入れて解説します。

大人は子供にその解説を使って、一緒に子供達の興味を膨らませることが出来ます。

親子での太極拳をお勧めします。家庭の中で子供達が覚えてきたイメージと動きに、両親の優しい導きを加えることで、子供達はより深い感受性を育て、家族との愛に心を豊かにします。

龍と人間と虎と鶴

イメージストーリーはこちら

作 若 林  政 樹

あらすじ

宇宙が生まれて、太陽や地球ができ、調和のとれた世界はいつも、宇宙の法則(自然の法則=太極の法則=陰と陽の相対性の法則)に守られていた。人間はその法則の元、陰陽社会を形成しその中で生き、その法則がどこから生まれてきたのかを知らないが為、陰と陽が対峙しせめぎ合いバランスを狂わせた。しかし、本来の人間はそのバランスを司るものと一体であり、それを思い出して、自然と同じように、龍と同じように、調和と一体の世界を創造した。

 ※平和な世界に人間がやってきて闇の世界を作ったが、実はその人問が新たな平和な世界の創造者と一体であることを思い出し、陰陽による支配の世界は終わり太極(陰と陽が一体=1と0)と無極(一体を生み出したエネルギーの場=無=0)の世界を知り究極の進化を逐げる物語。太極拳では、人間が現れるまでの世界の恒常性維持機能(ホメオスタシス=調和を維持しようとする機能)に基づき、生命体としての自然な陰陽世界の表現を、レベル3の気功太極拳までを行い、レベル2で太極思想(陰と隔は一体であるという考え)によりにより受容と気づきのレベルを意識的に、レベル1の瞑想太極拳でその太極(陰と陽)は何から生まれているのかを体感するためのストーリー構成になっている。

解説

宇宙のできあがりから、地球の生命まで
宇宙が何もない無からビックパーンでできあがった一その不思議な力の源が無極。そこからエネルギーが生まれそのエネルギーが太極を造り,地球を造り、動きを与えた。その無極のエネルギー(陰と陽を生み出すもの)の象徴が龍。龍は、弛球に向かう。地球にも無極のエネルギーが平等に注ぐイメージ。「沼に鶴がいる。沼は生命の象徴。鶴は地球の心。地球は生命の営みと共にあり、龍に象徴される、無極のエネルギーに生かされている。
第二節 傷ついた地球の心
鶴は傷ついているが、龍に象徴される無極のエネルギー(究極の愛)がそれを癒し、羽ばたかせる。それが龍の望みである。
第三節 傷ついた自然
鶴は山でけがをした。龍は山に向かう。山は社会の象徴。龍は虎を見て,荒れ果てた山を美しい山に戻す
龍のエネルギーで。世界中の山を。
第四節 よみがえった調和と生き生きとする自然
鶴は龍からのエネルギーを受け生命の沼に再び戻り、豊かな生命のエネルギーを生み出した。調和のとれた社会(山)は自然と調和し、地球が生命をはぐくむ姿を象徴。 その姿は。宇宙とも調和している。そして虎も、元気に走り出した。そして龍は竜巻を起こし
て、至る所に日陰になる大きな樹を育て続けた。日向を見せるために(陰陽思想)
一一−ここまでは、人間が社会に君臨するまでの穏やかな過去の世界。
第五節 現れた人間
陰陽があるところに人間が現れるのは、陰と日向を見てその源(例えれば太陽を生み出したエネルギーの源)を知ることを表す,人間
は相対する世界を自然界に持ち込んで、社会(山)を形成し始め、とうとう山に塔を建てた。人間が社会に君臨するイメージ。
第六節 叩きのめされる自然
現在の社会システムが、自然の崩壊を起こし、危機的状況がわかっていても、まだその社会システムを再創造しきれず、まだまだ自然
(虎)を痛めつけている。虎の耳は自然の感受性を表していて、その感受性を人間が壊し、異常気象などを引き起こしている。
ーーーここまでは、人間が社会に君臨し、相対性(陰陽)世界で闇雲に生きてきた世界
ここからは太極を理解し、無極で生きる未来の世界
第七節 籠(宇宙の法則などと呼ばれる力)が介入して調和を取り戻す。
龍は今までと同じように、人間にも自然にも全てに平等に光を与えることで調和を取り戻す。龍は陰にいるものの邪気、日向にいるものの悲しみをかき消す。龍はそれでより大きな姿になるのは、人間が龍の姿すなわち、無極の力に注意を向け始めるイメージ。
第八節 籠はいよいよ人間は龍であることを示すが‥・
人間の心は龍と同じであることを示すため、龍は人間に変身したが、人間は恐れおののいた。籠はその姿を見て、その恐れを理解し、
ゆっくりと後ずさりして、遠ざかる。これはカウンセリング理論で言われる受容である,
第九節 人間は地球を愛おしむとき・・・人間は気づく
人間は鶴(地球)と沼の光(生命)に目覚める。カウンセリング理論で言う気づきである。宇宙の法則(龍)に触れ始める。気づきの
浸透化。深い意識へ向かう。人間はそして社会の再創造に向かう。
第十節 人間の自立=・全てのものと一体で、その一部である姿
その人問を見ていた龍は、全ての人の心に自然が写るようにした。これが星になった虎。自然の心地よさを思い出した人間は、陰陽を
理解し、全てを再創造(反省のようなもの)し究極の愛を思い出した。その瞬間人間は龍と合体。それば、人間が本来龍と一体、宇宙
と一体であることを表す。その真実を胸に、浮かび来る情動(パッション)を意思(弓)として放ち、恐れも不安もなく真っ直ぐに道
を進んでいく、無極(陰も陽も存在しない=こだわりの一切無い場所)の精神で全てを受け入れ全てを愛し、山へ向かう。

そして全てのものと一体でその一部である自分を感じ、無になる。そして、おなかの中にこの物語の全てをしまい込む。

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