太極拳の気功訓練法

 細部の動きまでを原因、縁、結果の深みと共に習得した後に、その体の動き、精神の動きのエネルギーとなる、呼吸と気を注入することで、初めて太極拳という車が目的に向かって動き出します。

車に例えると、体の動き(レベル5での大まかな動き、レベル4での細部の動き)を車体、精神の動き(レベル5でのイメージという結果意識、レベル4でのイメージの原因への意識)を運転者、空気や栄養をガソリン、それを取り込み車体の隅々にまで送り込み動かすのが呼吸と食事、宇宙の気を取り込み自分の中にある気を起こすところを発電器、それを体全体に送るのが気の流通です。これでやっと動く車が完成した状態です。

ここで、太極拳自体は完成しました。

ここでは、呼吸の大切さ、自分の元気の源となる食事の大切さ、宇宙の気である、自然や宇宙、地球環境の大切さを実感してもらいます。

自分の体と精神は、呼吸、食事、環境でもって生かされていることを太極拳で実感してもらいます。

 元気さは、心気体が一致している状態です。日常的にもこの状態を記憶して、行動できると素晴らしい楽しさを感じることが出来ます。

この状態が、人間としての機能が最高に働く状態です。

恒常性により、神経、ホルモン、内臓、筋肉、関節、各細胞、脳などあらゆる物が正常に機能を始めます。これを繰り返していると、今までの不具合の微調整が始まります。ホメオスタシス(恒常性維持機能)が働き、不具合のところを正常に戻すときに、一時的にギャップ(差異)が生まれ、体や精神に不調が現れます。

この時に太極拳を行うと、意識的に調整できます。

しかし、その調整後は又ギャップが生まれます。

好転反応(めんけん瞑眩) といわれ、その後に今までに味わったことがない、体と精神の開放感が表れます。好転反応は自律神経失調症のような人が行う、1週間ほど温泉に泊まり込み、規則正しい生活と、温泉に一日3回ほど、時間に分けてつかる温泉療法でも現れます。

最初の3日ぐらいで好転反応が現れ、頭が痛くなったり、食欲が無くなったり、気分が悪く、疲れ、イライラ等の症状が現れます。それから、徐々にその症状が軽減され、ある時、木々の緑や、空の色が今までと違って鮮やかに光り輝くような感じになり、体も心も軽くなるというのが温泉療法を経験され、成功された人たちの感想です。

この様な、温泉のような短期的なものでなく、一生涯毎日でも行える太極拳の心身の調整段階(スパイラルのように本来の最も最高の状態になるまで、振り子のように前進、後退を繰り返し、心身が調整されていきます。三歩進んで、2歩下がるという歌にあるような感覚です)で好転反応が現れます。

ここで、出来ることなら、たばこお酒、食事のことや、生活リズムのことを考えてみたいものです。このころには食事や漢方、アーユルヴェーダ、生活スタイルなどについても講習が行えればと思います。じっくりと元気と言うことをここでの太極拳で味わってください。一般的な、心身の不調はここでほとんどの場合解消されます。

これ以降は、体と精神が元気であっても、どうしても、今までの条件に反応してしまうことによる、心身の不調を解決するためのレベルです。心因といわれるものです。

今後は、もっと深い理解、いよいよ、太極拳の動きの中に太極(全ての存在を包括するもの)無極(それを生み出した源)を思い出し認識するレベルに入ります。

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