免疫力のほとんどは、血液中の白血球に存在しています。本来生まれながらにして人間が持っている、自分で自分を守る力ですので、この能力を健全に保つことで、見えざる驚異に対して強い安心を得ることができるはずです。
白血球の内、体内の細菌や異物を食べてしまう細胞のマクロファージ、NK/ナチュラルキラー細胞、T/ヘルパー細胞、T/キラー細胞、B細胞などのリンパ球や、顆粒球(好中球、抗酸球、抗塩基球)などが単独あるいは協力しあって働き、体外から体内に侵入した細菌、ウイルスなどの抗原や、体内で発生したガン細胞などの異物に対して絶え間なく攻撃し身体を守っています。
まず、リラックスモードの副交感神経が優位になるとリンパ球が増えます。逆に、興奮モードの交感神経が優位になると顆粒球が増え、ガンなど組織の破壊を引き起こします。
(安保徹教授(新潟大学大学院医歯学総合研究科教授)著書「免疫革命」を参照)
このように考えると、今回のテーマの細胞や遺伝子の変異の驚異に対しては、副交感神経が優位のリラックスモードがいいことがわかります。
NK細胞はナチュラルキラー細胞の略で、リンパ球として身体に侵入した異物に反射的にとびかかり、ガン細胞を初期に発見し攻撃することでガンの発病を防ぐ大切な細胞です。
細胞を殺すのにT細胞とは異なり事前に感作させておく必要がないということから、生まれつき(natural)の細胞傷害性細胞(killer cell)という意味で名付けられました。リラックス状態でリンパ球であるNK細胞を増やし、それを活性化して、よく働かせることが、人間が生まれつき備える、ガンなどに対抗する最も大きな力であることがわかりました。その上、正常な自己の細胞は攻撃しないのです。
このNK細胞はリンパ球で有り、副交感神経が優位でリラックスしていると増えて、血管が広がり血流も増えて、がん細胞が苦手な高体温の環境を作り出し、隅々まで行き渡るという好循環を生み出します。